キネカ大森 > スクリーン2 > 座席E-3 にて、19:20の回を鑑賞。
本映画は事前情報なしの公開。そして、こちらも敢えて口コミなどは一切観ずの足運びとした。
たぶんネタバレっぽいことを書きます。
宮﨑駿が、原作・脚本・監督を務めた作品。これが本当の最後の作品! ということだが、映画を観終わって大変納得した。これまで、宮﨑駿が真に携わってきた作品の名場面が随所に埋め込まれており、それらが走馬灯のように駆け抜けていく。
また、作中で、12個? 13個かの不安定なバランスでどうにか成り立っている石を誰かに引き取らせ、どうにか後継者に託そうとするがみなに断られ、結局インコの大王に真っ二つにされてしまう。どうにか成り立っていた世界は崩れ、その創造主も共に朽ちてしまう。
最後のエンドロールで、最後にもちろん宮﨑駿の名が出るのだが、そのちょい前には宮崎吾朗の名前も出てくる。実は、“みやざき”の漢字が違ったりするが、何となくそこに至って初めて、宮﨑駿の映画に対して接してきた想いを形にしたのかな、と思えてきた。火事で死んだ主人公(眞人)の母親(ヒサコ)が、作中では少女の姿で登場するのも納得がいく。
そう結論付けると、誰かにどうにか託そうとしていた石が毒され、破壊され、世界が閉じられた、ということは、宮﨑駿自身も次なるジブリ作品を真に担う後継者づくりを諦めたと受け取った。
本作では、いろんな世界を見ることができ飽きはしないが、「私はこう生きてきた」という思いが強く感じられる一方で、分割・分断も感じられ集中力が欠ける場面も少々あった。たぶん、旧来のジブリ作品を観ている側に想起させてしまうからだと思う。そういう意味でも、物語というよりは、宮﨑駿の携わった映画に対する想いを過去・現在・未来と繋げた作品と感じた。
公式サイト: 君たちはどう生きるか
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