平成30年(2018年)度の土地に対する固定資産税および都市計画税の納税通知書が我が家にやってきた。初めての通知書。想定していた額よりも幾分安かったので一安心? かな。とはいえ、非住宅用地としての課税のため、小規模住宅用地と比較すると6倍支払うことになる痛手。
さて、今年度分の納税は決定したので置いておいて、問題は来年度以降の納付額。家屋(建物)を2018年12月と2019年1月とどちらに完成させるかで額が変わってくる。とくに大きく影響してくる減税・減免措置は下記の通り。
- 土地、建物共通の定常税率(固定資産税(1.4%)、都市計画税(0.3%))
- 土地が住宅用地として利用されることに拠る減免(固定資産税(価格に対し6分の1)、都市計画税(価格に対し3分の1))
- 建物が完成したことに拠る減免(固定資産税のみ(当初税額に対し2分の1))(*1)(*2)
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除、住宅ローン減税)に拠る減税
(*1) 平成32年3月31日まで新築の場合の期間限定措置であり、減免期間は3年となっている
(*2) 1戸あたり120m2相当分までが限度となっている
上記を踏まえて、建物が今年の12月に完成する場合、来年の1月に完成する場合でどちらがより良い選択か考える。なお、定常税率に関しては共通項であるため対象から外し、年度毎に整理をかけてみる。
年度 | 完成時期 | 土地 | 建物 | 住宅ローン控除 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
固定資産税 | 都市計画税 | 固定資産税 | 都市計画税 | |||
n年度 | n年12月完成 | 減免なし | 減免なし | 不在(減免なし) | 不在(減免なし) | 減税なし |
(n+1)年1月完成 | 減免なし | 減免なし | 不在(減免なし) | 不在(減免なし) | 減税なし | |
(n+1)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(1年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免なし | 減免なし | 不在(減免なし) | 不在(減免なし) | 減税なし | |
(n+2)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(2年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(1年目) | |
(n+3)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(3年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(2年目) | |
(n+4)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(4年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 減免(1/2) | 減免対象外 | 減税対象(3年目) | |
(n+5)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(5年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(4年目) | |
(n+10)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(10年目) |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(9年目) | |
(n+11)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象外 |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象(10年目) | |
(n+12)年度 | n年12月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象外 |
(n+1)年1月完成 | 減免(1/6) | 減免(1/3) | 期間切(減免なし) | 減免対象外 | 減税対象外 |
文章で記すと下記となる。分かりづらい……。
- 建物が今年(2018年)の12月に完成する場合
- 2019年度以降、土地の減免、住宅ローン控除の対象となる一方で、追加で建物の固定資産税(減免)、都市計画税を納付する必要がある。
- 2029年度以降、住宅ローン控除の対象外となる。
- 建物が来年(2019年)の1月に完成する場合
- 2019年度は、減免、減税共になし。土地の固定資産税、都市計画税を2018年度同様に納付となる。2020年度は、土地の減免、住宅ローン控除の対象となり、追加で建物の固定資産税(減免)、都市計画税を納付する必要がある。
- 2030年度以降、住宅ローン控除の対象外となる。
結論としては、下記を比較考慮することでどちらがお得かがわかる。
- 2019年度に支払う土地(非住宅用地)の固定資産税・都市計画税 & 住宅ローン控除額
- 2019年度に支払う土地(小規模住宅用地)の固定資産税・都市計画税 + 建物の固定資産税・都市計画税 & 住宅ローン控除額
基本的には、建物の価格(評価額)が高ければ高いほど、来年の1月に完成させたほうが安くつくはず。建物の価格については、ざーっくりと参考程度ではあるが、“建築工事×(60~70%)”が目安。リスクを考慮すると70%を掛けるべきかな。
また、住宅ローン控除は、認定住宅の有無(認定住宅: 最大控除額(10年間合計500万)、非認定住宅: 最大控除額(10年間合計400万))、納付している所得税・住民税が影響してくるため一概には言えない。初年度から、控除年額上限を下回るようならば、無視できない数字になってくる。
例えば、土地価格(2,000万)、建物価格(1,800万)とした場合は下記の通り。本来は、負担調整措置(負担水準)も考慮すべきだが除外する。
- 土地(2,000万)の固定資産税(28万)、都市計画税(6万)
- 土地(2,000万)の固定資産税(4.7万)、都市計画税(2万) + 建物(1800万)の固定資産税(12.6万)、都市計画税(5.4万)
前者は34万、後者は24.7万、ここに住宅ローン控除として仮に5万の減税分を考慮すると、前者29万、後者は24.7万となり、後者の方が4.3万円納付額が少ない。したがって、今年(2018年)の12月に建物を完成させたほうがお得だということになる。一方で、建物価格が2,230万円を超えてくると、来年(2019年)の1月に建物を完成させたほうがお得だということになる。
ただし、先に述べた負担調整措置の他に、住宅ローン金利(12月と1月)、年度ごとに変化していく税制を考慮することも必要である。とくに、期間限定措置(建物の固定資産税に対する減免、住宅ローン控除)の有無や内容次第で、大きく数値が変わってくるので注意が必要。消費税アップに伴って、逆に減免、減税措置が手厚くなるかもしれないしね。住宅ローン金利が最も影響度合いが強いのだけれど……、これは正直運次第。12月と1月を比較すると、12月の方が幾分低そうかな、といった感じ。