青山円形劇場で『NECK』を観てきた

青山円形劇場、日曜日17時の回に行ってきたよ。開演10分前に着いたけれど、1番前の列の端の席ということもあり、迷惑を全くかけずに着席、そのときを待った。

この円形劇場、もちろん初めて行ったんだけど、舞台をぐるりと座席が包み込んでいる、コロシアム形式。1列目は演者さんを見上げる形になる。3列目くらいで丁度目線くらい? だから、幕が開くまでは、首きついのかなぁ、と思っていた。が、今回の作品と1列目は相性抜群だったみたい。それは、演者さんの首が埋まったまま話が進むという舞台設定に因る。1列目の客の目線と演者さんの目線の位置が一致するから。少し目の合う恥ずかしさもあったり。でも、表情を強く読み取れるのは新鮮、とっても楽しめた。

さて、始まる前の雑談はこれくらいにして本題。全く予備知識無し、どうなるんだろう? 舞城さんはどういう世界をここで創り出すんだろう? 期待に胸を膨らせて観続けていた。そして、終演。これは、舞城王太郎だからこそ納得させられる世界観、彼女(彼?)の作品を読んでいれば、「あー、分かる分かる」と少し首肯しそう。

舞台の世界の中で行われる「選別」、同時刻に場所のまったく違う者たちが集う仮想空間で行われる「選別」、そしてこの舞台を外から観る客によって行われる「選別」、この入り乱れが怒涛のように続く。そこにゾゾっとくるサスペンス要素が加わる。

そんなこんなで、この作品を一言でまとめるなら、「みんな2ちゃん大好き、顔の見えない相手にはとことん残酷にできちゃう不思議」。自分に関係のない事象については冷徹無比だよね、ネットでは。

さて、舞城王太郎の世界観と、青山円形劇場を最大限に生かした演出によって、『NECK』は斬新な現代風のサスペンス劇に仕上がっていた。鑑賞中は、小説ならここの場面ならこんな感じで表現されるのかな、とかなんとか思いつつ観ていたりもした。それもまた楽し。映画化もされるらしいけれど、実際自分の目で舞台で観た方がこの作品は良いと思う。

今度は、5列目くらいから舞台を見下ろす形で観劇したいな、と思い劇場をあとにした。パンフを片手に。

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