2018年12月末の引き渡し後、所持していた無線ルータ(NEC製)で凌いでいたが、2020年以降の新型コロナ禍によるテレワーク環境が必須となった。すでに購入していた機材、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の普及に合わせこんで購入した機材を用いて、まずはネットワーク環境を整えた。
注文住宅の引き渡し段階ではPF管のみを引いてもらっていた。すべて小屋裏にネットワーク機器は集約される。引き渡し後の小屋裏の姿は以下の通り。なお、夜に室内灯のみ、且つコンデジで撮影しているため、画質は粗い。
まずは、プレートをすべて外す。参考までに取り外した写真を以下に載せる。既に一部の配線が完了している写真だけれども、最初はもちろん伽藍洞。
すべてのPF管には、ビニル被覆鉄線――タキロン線が呼び線として備えてくれているため、うまく利用してLANケーブルを小屋裏に呼び込むことにする。なお、LANケーブルは将来的にUPするであろう通信速度(10Gbps)を見越してCAT6Aとした。
LANケーブルの口として、当初はLANケーブルを加工してPanasonicのぐっとすシリーズ(Cat6モジュラージャック)を用いようと考えていた。というか、実際に手持ちのかしめ工具を活用する気満々だった。ただ、そこまでの労力とLANケーブルの挿抜頻度が見合わないと判断し、大穴テレホンガイド(WN3022SW)を用いた直結配線とする方針に変更した。
さすが、コンセントプレート回りを寡占しているPanasonic製、造りがしっかりしている。
LANケーブルと呼び線を引っ張りに強いビニールひもを用いてガチガチに固定する。ツメが折れないと謳われているLANケーブルを狙って購入したとはいえ、ツメにも負荷がかからないように工夫をする。その後、引き込み元のプレートも外す。そのほか、埋込取付枠、はさみ金具も取り外していく。
ここで、注意すべきは“はさみ金具”。うまく外せないと間違いなく隙間に落下して取れなくなります。というのも、作業中に深く考えずに取り外していったら、“カラーン”という音が響き内壁と造作棚の隙間に落ちていったから……。予備の“はさみ金具”を使用し作業は継続することができたが、より細心の注意を払うようになった。
さて、いよいよケーブリング。小屋裏にて呼び線を手繰り寄せビニールひもまで行きつく。この時点でPF管内での引っ掛かりが大変多く、よりギミックのあるLANケーブルの通線が可能か一抹の不安を覚える。まずは、10mのPF管でチャレンジ。結果としては、1時間近くかかってどうにか成功した。ただし、かなりの引く力を使い、ビニールひもはPF管内での摩擦により一部擦り切れが見えた。
どうにかこの調子で完了させたい――しかし願いむなしく、施工時の状況からもわかる通り、PF管はかなりの角度で曲がっている箇所が存在する。そのため、前述の通り、かなりの力を入れないとLANケーブルを小屋裏に呼び込めなかったりしていたが、ついにわずか2本目で通線できないケースが発生してしまった。ビニールひもが切れてしまったり、そもそもLANケーブル自体が断線してしまっては元も子もない。どうにか呼び線のみで仕上げたかったが、今後のことも考え素直に通線ワイヤを購入することにした。実際に購入したものは以下となる。
まずは、通線ワイヤーと呼び線を固定し、PF管に通線ワイヤーを通す。すんなりと通る。とても気持ちが良い。かなりのテンションを掛けてしまっていた前作業が噓のようだ。
次に、通線ワイヤーとLANケーブルを固定する。ビニールひもとビニールテープを用いて、しっかりと固定する。また、LANケーブルのツメにも下手な力がかからないように順目を心がける。
ケーブル類の固定が完了したら、小屋裏側からLANケーブルを引き込む。石膏ボードの裏周りはやはり粉じんが多いが、その辺は気にしない。
多少の引っ掛かりがありつつも、無難に作業をこなすことができた。前作業と本作業で小屋裏に引き込んだLANケーブルの本数は5本、最短距離6m、最長距離12m、総計50mほどとなる。
呼び線もこうやってまとめると、こんなにも家屋に眠っていたのかと改めての驚きがある。しかも、これでも一部だから尚更のこと。
引き終わったあと処理として、小屋裏のLANケーブルには場所タグを付けておく。
LANケーブルの下流側(小屋裏ではない各場所)は以下のようになっている。大穴テレホンガイド(WN3022SW)の取付例も併せて掲載。
また、今後使用することを想定して配線したLANケーブルは面ファスナーの結束バンドで整えておく。
LANケーブルの上流側(小屋裏)も同様にテレホンガイドを設置しプレートを取り付けた。ちなみに、白と青色が混在している理由は以下の2点からとなる。
- 購入当時のBUFFALO(バッファロー)のカテゴリ6Aのケーブル在庫に差があり、白色が十分に集められなかったため
- リビングなど普段の視界に入りやすい箇所の配線は、室内との調和も取るため絶対に白色、それ以外(個室、造作家具内などに隠蔽される箇所)は任意の色で良いため
注文住宅は必ず費用が膨らむ。そのため、目的を考えて闇雲ではないコスト削減が必要となる。今回のケーブリングでもその考えを当てはめることとした。
次回は、ネットワーク装置(PanasonicのPoE給電スイッチ、NETGEARのルータ、L2スイッチ(PoE給電・受電スイッチ)、WiFiエクステンダー)を設置していく。記事は、Wi-Fi 6 のメッシュエクステンダー購入&設置後に記載することになると思う。