7/20~22まで和歌山の田辺市に行ってきた。7/19に新幹線で新大阪まで行き一泊。翌日午前中にレンタカーで田辺市の山長商店さんを目指した。
正門で待っていてくれた方々(山長さん、モックさん、設計事務所、施工会社の方々)に気づかれること無く裏門から入るというハプニングはありつつも、約束の時間に到着し早速事務所に入る。車から出てすぐに火照った体を冷えた麦茶が落ち着かせてくれる。まずは、パワポを用いた説明会。山長商店さんの一気通貫したサービスを知ることができる。“品質を見る”意味ではこれほど心強いことはない。
実は午前中に育林状況から伐採まで見学できたそうだが、そのような情報がなく少し残念ではあった。だけど、4歳の子どもが居ることを考えると、どちらにしろ足を運ぶことは無理だっただろう。
さて、説明会の後は工場見学。また、ヘルメットと無線機を取り付け、カラッとした暑さが広がる屋外に出る。乾燥中の材を見ることができる。
製材工程では、丸太を四角く加工する段階の作業となる。一本一本手作業で行われておりとても丁寧。端材は別用途に用いられるらしい。これほどの品質の材を捨てるのはもったいないし納得。
冒頭の写真の乾燥後、品質検査となる。ここでは強度測定も併せて行われる。目視による選別、そして強度測定。前者の選別はかなりの数がはじかれていく。
経験者による目視試験は、アナログではあるがとても有用だ。分野はまったく異なるが、勤め先の品質保証においてもアナログとデジタルの相互補完を行っている。とくに経験者による嗅覚というのは属人で的ではあるが確かなものである。実体験からも分かる。だからこそ安心感を得ることができた。
選別後の含水率および強度測定を行い、デジタルに材をレベリングしていく。
最後にグレーディング。含水率および強度測定の結果が、自動的に材に印字される。グレーディングされた品には日本農林規格(JAS)に基づいて、ヤング係数による機械等級区分強度と含水率、樹種、寸法等を表示するだけでなく、“どこで伐採された木材であるか”を示す木材表示推進協議会(FIPC)の認証マークを付け、明確な産地表示がなされる。なお、本木材は“紀伊半島産”となる。
最後はプレカット。設計されたCADデータに従ってオートマティックに加工されていく。また、必要に応じて手作業による加工も行われる。
工場見学終了後、山長商店さんの好意で記念の棟札を作成した。紀州材(杉板)を用いて、家族全員分の手形を押していく。この棟札は上棟時に棟木に打ち付ける札である。材はとても立派で、実際に手に取るとその重みがより伝わってきた。
再度事務所に戻り、CADオペレーション室を見学。我が家の進捗状況も知ることができた。CADデータを見ると着々と進んでいる実感がわく。「これが、杉材や桧材に反映されていくのかぁ」と深く思うのだった。
あっという間の2時間、別れの挨拶を済ませ、次の目的地である世界遺産熊野本宮館に向かったのでした。