ヒューマントラストシネマ有楽町 > スクリーン1 > 座席E-10 にて、18:40の回を鑑賞。
“ユダヤ人問題の最終的解決”の遂行により現実的なものとなる”ホロコースト”。そんな計画の管理を任されていたアドルフ・アイヒマンに対する裁判を、放映するメディア側の視点から映し出す映画である。
テーマはデリケートであるが、スポットは裁判を捕えるメディア側に当てられており、見せる(魅せる)上での葛藤が主軸となっている。言い換えれば、アイヒマンの裁判はあくまで業務上の題材であり、その題材をいかに効果的に世界中に届け利益を生み出せるかという話。そのため、静かな映画だと言える。悪く言えば大きな盛り上がりに欠ける映画。終幕は、アイヒマンのホロコーストに関与したという発言を映像に収め、メディア側の仕事が達成できた瞬間である。アイヒマンが「認める」発言をする場面ではない。
鑑賞に際して、背景を抑えた上で鑑賞した方が良いが、アイヒマンの行きた歴史を知っておくだけでも十分だと感じた。”アドルフ・アイヒマン – Wikipedia“で情報を探れば、関連するリンクから、絡みあう事件や人物を辿ることができる。今一度、追ってみると理解の深度がより上がるだろう。
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