ヒューマントラストシネマ有楽町で『福田村事件』を観てきた

ヒューマントラストシネマ有楽町 > スクリーン2 > 座席E-6 にて、20:20の回を鑑賞。

予告でちょっと興味惹かれ、区か何かのプリントでもこの映画が紹介されており、足を運ぼうと思い立った。

『福田村事件』のポスター

実際の事件を題材としたノンフィクション映画。香川県の被差別部落の15名の薬売り行商人が千葉県東葛飾郡福田村(現在の野田市)において自警団に暴行され、9名が殺害された事件が元となっている。

帝国主義、異を唱える者は非国民となり弾圧される。また、それ以外の意見を持ったとしても多数決には勝てず、結局は大きな渦にのみ込まれてしまう。日本国内において、地方に行けばより情報は閉鎖的になり、画一化されてしまう。そんな中で、「朝鮮人は危ない」と官人が触れ回れば、地方によってはそれが絶対となり、真実となってしまう。

上記の15名が「私たちは日本人だ」と言っても、思い込み激しく断固として信じず、誰かがきっかけさえ作れば、あとは想像の通り。雰囲気から襲い掛かる者もいただろうが、これは現代のSNSで流れてきた情報を十分に読み解かずに何となく信じてしまう人を想起させる。

事実が元になっているが故、物語の改変などはもちろんできず、救われない映画だった。所説では同和問題にもつながるといわれるが、この映画としては、関東大震災時に日本人が朝鮮人に対して行った出来事が軸であるべきで、これを改めて伝えるきっかけになると思う。

公式サイト: 福田村事件

私的お気に入り度: (6/10)

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