2011年最初の映画は、『最後の忠臣蔵』です。年始め初っぱなの映画は、1年の映画生活をどれだけ気持ちよくスタートできるか、とても重要な役割。迷いに迷って、さほど期待を裏切らないであろう本作品に白羽の矢を立てた。
一般的に”忠臣蔵”と云えば、沖田総司が――、土方歳三が――、という赤穂浪士の復仇事件が思い出される。しかし、本作は前述の討ち入りの後日談。生き残った寺坂吉右衛門と瀬尾孫左衛門にスポットが当てられている。それぞれ使命を託され、それを果たすまでは命を絶対に賭してはならない。死に行った同士、そして何より大石良雄を裏切ることになるから。
観終わり、彼らの果てぬ使命が痛々しくも力強く描かれた作品だと強く感じた。予備知識がなかったせいか、もっと軽やかでしっとりとしている内容かと想像していた。真逆でした。壮絶という言葉が当てはまる。今年最初の作品としてはとても満足のいく1本。2011年の映画生活、さい先のよい開幕劇となりました。
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