『17歳の肖像』に引き続き、日比谷のシャンテにて19:45の回で観た。予備知識無しだったため、例えばマライア・キャリーが出演しているとか、”プレシャス”が人名であることとか、全く知らなかった。”貴重”とか、そういう意味合いの”precious”かと思っていた。と書きつつ、あながち外れではなかったのだけれど。
クレアリース・”プレシャス”・ジョーンズは、母親から常に虐待を受けていた。実の父親の子供を2回孕み、それがきっかけで学校を追われることになる。そして向かった先は……。
だいぶ簡素に書いているけれど、映像を観た方が絶対に良い。闇と光、暗と明がこの110分で痛いほど分かる。虐待を受けつつ彼女が抱く空想はハリウッド映画らしい煌びやかさ。あたかもそれが現実になるのでは、と期待を抱かせる。しかし、現実はそう易々と夢物語が実現するわけではない。この点については、今の日本でも大きく共通する部分があるように思える。
終始重く考えさせられる映像が流れ続けるが、その中で光る一瞬が気持ちを観てるこちら側の人間に救いを与えてくれる。決して楽しい映画ではないが、16歳の主人公に強く影響を受けることは間違いない。
そういえば、『17歳の肖像』の主人公も16歳だった。しかし、生活環境は全く違う。悩みも違う。今思えば、『17歳の肖像』を観たからこそ、更に本作の重みが増したように思える。是非、時間が許すならば続けて観て欲しい。
気になる女優メモ。Angelic Zambrana(アンジェリク・ザンブラーナ)。
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